臨床研修セミナー 婦人と栄養
体重減少性無月経
中村 幸雄
1
Yukio Nakamura
1
1杏林大学医学部産婦人科
pp.774-779
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208055
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①テレビ,週刊誌等にはんらんするやせるための薬剤,工夫の宣伝,②スリムであることが一種のステイタスシンボルであるとの考え方,③一般男性の好みが肥満者よりスリムの人にあること,④社会生活の変化に伴う運動不足,食生活のぜいたく化による肥満者の増加,⑤肥満に伴う成人病の増加等があいまって,女性のやせ願望は,近年きわめて強いものと思われる。東1)の女子高校生の調査によれば,−10〜−20%のやせの人でも,40%近くが,さらにやせたいと思っており,−20%以上のやせの人ですら10.3%がさらにやせたいと思っているという。このように健常若年女性のやせに対する願望はきわめて強い反面,その裏面には,やせに伴う無月経(体重減少性無月経)の恐ろしさが待ちうけていることは,ほとんど知られていない。
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