グラフ 生殖生理と走査電顕
IV. 子宮内膜の周期性変化
椹木 勇
1
,
神谷 敬雄
1
,
渋谷 嘉之
1
,
竹口 尚道
1
,
岡村 芳郎
1
,
岡本 薫
1
1関西医科大学産科学婦人科学教室
pp.308-309
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207973
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子宮内膜は子宮腔側より機能層と基底層に区分され,分泌期には機能層はさらに表層の緻密層と下層の海綿層に区分されるようになる。機能層は性成熟期においてステロイドホルモンに鋭敏に反応し,月経周期前半(卵胞期または増殖期)には増殖像,月経周期後半(黄体期または分泌期)には活発な分泌像を呈し,剥脱および再生期(月経期)には機能層が海綿層から剥脱し,残存した基底層から直ちに機能層の再生がみられる。
この人子宮内膜を超微形態学的にみると,その被覆上皮を構成する細胞には線毛の有無により線毛細胞と無線毛細胞とがある。線毛細胞はその表面に多数の線毛が密在している。増殖期にはエストロゲンによりciliogenesisが活発となり,線毛細胞の数が増すが,分泌期には減数するとされている(Mastersonら,1975)。しかし,その月経周期における役割や変化はなお十分明らかにされていない。
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