薬の臨床
卵管間質部妊娠,子宮頸管妊娠,および卵巣妊娠に対するMethotrexate (MTX)療法施行症例における臨床経過
田中 俊誠
1
,
藤本 征一郎
1
,
工藤 正尊
1
,
平畠 功二
1
,
西谷 雅史
1
,
相原 稔彦
1
,
中陳 欣也
1
,
大久保 仁
1
,
有賀 敏
1
,
守谷 修而
1
,
岩崎 寛治
1
Toshinobu Tanaka
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.87-95
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207937
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昭和54年7月より昭和63年7月までに北大産婦人科ならびにその関連病院において,子宮間質部妊娠;3例,子宮頸管妊娠;5例,および卵巣妊娠;1例の計9例にmethotrexate (MTX)療法が施行された。
MTX療法中の副作用,MTX療法前後の尿中hCGの変動,MTXの総量,およびMTX療法後の妊娠,などについて検討した。
現在までに,子宮間質部妊娠症例,子宮頸管妊娠症例において,それぞれ2例(2生児),3例(4生児)にMTX療法後に妊娠が成立している。子宮間質部妊娠1例においてのみ軽度の肝機能障碍が認められた。従って,MTX療法は卵管狭部や卵管膨大部に着床する卵管妊娠以外に対する子宮外妊娠に対しても有効であることが確認された。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.