増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編
❷婦人科救急疾患への対応法
卵管妊娠破裂/頸管妊娠出血
石川 博士
1
1千葉大学大学院医学研究院産婦人科学
キーワード:
急性腹症
,
出血性ショック
,
生殖補助医療
,
腹腔鏡手術
Keyword:
急性腹症
,
出血性ショック
,
生殖補助医療
,
腹腔鏡手術
pp.90-94
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211205
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症例1
25歳,2妊0産,未婚,パートナーあり,人工妊娠中絶歴1回.2週間前から少量の不正性器出血が持続していたが,もともと月経不順であり放置していた.夜間就寝中に急な腹痛を自覚し,そのまま痛みが強くなり動けなくなったため,同棲しているパートナーが救急車を要請した.救急外来到着時,意識清明,血圧85/60mmHg,脈拍100回/分,顔面蒼白で表情は苦悶様,腹部に著明な圧痛,右下腹部に反跳痛を認めた.尿ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)定性検査陽性,経腟超音波で子宮内に胎囊(GS)は認められず,ダグラス窩と膀胱子宮窩にエコーフリースペース,経腹超音波で肝周囲に腹水を認めた.
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