生涯研修セミナー 子宮筋腫
薬物療法の試み
堀口 正之
1
,
佐藤 信二
1
,
和田 裕一
1
,
矢嶋 聰
1
Masayuki Horiguchi
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.680-683
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207831
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子宮筋腫の治療法は従来から手術療法が主体であり,薬物療法は筋腫に伴う諸症状に対して行われてきたにすぎない。つまり,過多月経に対しては止血剤,エストロゲン,プロゲステロンの合剤療法が行われ,また,貧血には,鉄剤投与,月経困難症には各種鎮痛剤,鎮痙剤の投与がいずれも対症療法としておこなわれてきたのが現状である。
近年外性子宮内膜症の治療法として確立されたダナゾールによる偽閉経療法を子宮内膜症または腺筋症を伴った子宮筋腫に応用した報告がなされており,諸家によってその効果判定も差異はあるが注日に値する。また,1979年の第30回日本東洋医学会総会で佐藤1)により漢方療法で子宮筋腫が治ったと報告されて以来,これもまた諸家により検討がなされている.以下,ダナゾールと漢方療法による子宮筋腫治療について文献的に考察してみたい。
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