特集 ホルモン療法の進歩—ホルモンレセプターと関連して
抗プロゲステロン剤(RU 486)の臨床応用
武谷 雄二
1
,
石原 智子
1
,
呉 道明
1
,
水野 正彦
1
Yuji Taketani
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.229-233
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207748
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Progesteroneは妊娠の成立および維持に必要不可欠なホルモンであるが,近年強力な抗progesterone剤が開発され,避妊,妊娠中絶など予想された効果が既に確認されている。本剤はprogesterone受容体にprogesteroneと競合的に結合してその作用を抑制するが,同時に副腎皮質ホルモン受容体にも結合してその作用を阻害する。しかしprogesteroneの作用を阻止する量では副腎皮質ホルモンの低下作用はほとんど問題とならず,今後広く臨床応用が期待される薬剤として現在脚光を浴びている。
抗progestcrone剤はようやく本邦での臨床治験が緒についたばかりであるが,今回本剤の特性および将来予想され得る臨床応用について解説する。
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