原著
当科9年間の悪性腫瘍患者52例の臨床的検討
山下 幸紀
1
,
萬 豊
1
,
牟禮 一秀
1
,
清水 哲也
1
Kohki Yamashita
1
1旭川医科大学産婦人科教室
pp.281-287
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207578
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昭和52年1月〜昭和60年12月までの9年間において,旭川医科大学産婦人科が治療した悪性卵巣腫瘍患者52例についてまとめた。
1)年齢分布は,50〜59歳にピーク(34.6%)をもっていた。
2)中間群症例12例(嚢胞性:8例,充実性:4例)からは,現在まで再発例は認められていないが,I期患者15例中4例が再発・腫瘍死しており,4例は既に5年生存に達している。II期患者2例中では1例が再発,腫瘍死している。III期患者13例中4例が再発,腫瘍死,また3例が治療途中で腫瘍死している。生存例の中で3年生存例が1例存在している。またIV期2例は,いずれも短期間で治療途中に腫瘍死している。
3)化学療法の内容は,年代的に変化がみられている。昭和56年以前は,FAMT療法,FANCS療法が主体であるが,昭和56年以降は,FAM療法,CAP療法が主体となっている。
4)昭和56年以降から,積極的に,second look operationが行われるようになってきている。
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