臨床メモ
前期破水をきたした妊婦の管理—羊水量のチェックが重要
貝原 学
1
1東大分院産婦人科
pp.107
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207325
- 有料閲覧
- 文献概要
前期破水は,妊娠において最もよくなられる合併症の一つであり,周産期の児死亡や罹病をもたらすのみならず,母体にも悪影響をもたらす重要な産科的異常である。
前期破水が,児がいまだ十分に成熟していない妊娠時期に発生した場合には,保存的に妊娠を継続し,児の成熟を待たなければならないが,子宮内感染や種々の原因に基づくfetal distressなどが発生する可能性があるので,児の厳重な管理が必要である。従来より,このような管理の方法として,羊水を培養して子宮内感染の有無をチェックする方法,Non stress testによって児の状態をチェックする方法,fetal breathingmovemetnを観察して胎児の感染を早期に発見する方法1)などが挙げられているが,最近Vintzileos2)らは,前期破水をきたした妊婦の羊水量を超音波断層法によって検索することが重要であると報告している。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.