ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 先天異常--最近の診断と管理
遺伝相談--私はこうしている
小児科の立場から
玉木 健雄
1
Takeo Tamaki
1
1兵庫県立こども病院遺伝内科
pp.949-951
発行日 1985年12月10日
Published Date 1985/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207296
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日本の"縮図"といわれる兵庫県は,図1に示すごとく行政上5ブロックにわけられ,それぞれの地域特性を持っている。
これらの地域において,表に示すごとく,昭和48年度と58年度の各ブロック別に見た乳児死亡を中心とする医療統計を比較して見るとき明らかに改善が見られるに至ったが,果たして,その数値はintact survival (無後遺救命)に直結しているのであろうか。こども病院の入院患者動態からして,どうしても否定的な見解が出てくる。昭和45年開院以来の入院患者疾病分類について見ると,6割強並びに剖検のほとんどは,合併症を伴った先天的要因によるものである。表に示された数値に対しても,こども病院は周産期医療を含む小児医療の中核として,あるいは先天異常の発生頻度を見積った場合(4%〜6%)小児医療の中核として(年間出生,昭和45年9万6千。昭和59年6万4千)"形態(システム)と機能"を発揮しているであろうかという一つの反省期にきていると考えている。
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