原著
内性子宮内膜症(子宮腺筋症)を合併した子宮体癌8例の臨床病理学的検討
早田 隆
1
,
川島 吉良
1
Takashi Hayata
1
,
Yoshiro Kawashima
1
1浜松医科大学産婦人科教室
pp.677-681
発行日 1985年8月10日
Published Date 1985/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207234
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1)最近経験した子宮体癌30例の術後標本の検討から,うち8例に顕微鏡的子宮腺筋症を認めた。臨床進行期別分類はIa2例,Ib6例で,平均年齢は56歳であった。
2)顕微鏡的子宮腺筋症を有しないI期体癌12例と比較すると,月経歴に特に差違を認めず,既往歴(合併症)である高血圧,糖尿病,および家族歴である糖尿病は,全て顕微鏡的子宮腺筋症を有する体癌8例中に含まれた。また,肥満指数も両者(各々平均127,116)に差違があるようであった。
3)これら体癌8症例の組織像は,高分化型管状腺癌が大部分で,体癌の筋層内進展形式を考察するという観点からも,体癌と子宮腺筋症に対する共通因子(例えばエストロゲン)の影響が示唆され,興味深い。
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