原著
子宮外妊娠時腹腔内貯溜血液を用いてのAutotransfusion (自家輸血)療法
松田 稔
1
,
草野 佐
1
,
小沢 俊総
1
,
飯田 竜一
1
,
小俣 好作
1
,
清水 香子
1
,
渡辺 伸
1
,
五味 茂文
1
,
石井 正己
1
,
壬生倉 勝
1
,
依田 逸男
1
,
梶山 謙二
1
,
坂本 亀之助
1
,
松井 士郎
2
Minoru Matsuda
1
1社会保険山梨病院産婦人科
2松井産婦人科
pp.671-675
発行日 1985年8月10日
Published Date 1985/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207233
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母子衛生統計によると子宮外妊娠は妊産婦死亡の第3位を占めている。原因は出血性の不可逆性ショックによるものであるので一早く診断を下し,すみやかにショック状態の改善をはかる必要がある。今日では進歩した輸液療法と血液銀行から常時容易に血液の入手が可能な状況にあるので,診断の時期を逸しない限り救命し得る。しかし特殊な血液型の患者の場合とか,どうしても間に合わない場合もありうるわけである。さらに輸血後の合併症(post-transfusion hepatitis, transmission of venereal disease, incompatibility,hemolytic reaclion等)が解決されずに残されている現状にある。われわれは1981年4月より,Blundell, Highmore, Jahonnes Thies等によって開発されたAutotransfusion (自家輸血)療法を救急時の1方法として施行しており,血液検査,凝固系検査,術後経過などの点で好成績を得ているので,本法の長短所,適用条件などについて若干の考察を加えて報告した。
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