今月の臨床 症例から学ぶ子宮内膜症─子宮内膜症を侮るな
症例から学ぶ
7.子宮腺筋症由来の子宮体癌の1例
矢島 正純
1
,
折戸 征也
1
,
太田 博明
1
1東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.1466-1469
発行日 2004年12月10日
Published Date 2004/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100687
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はじめに
子宮腺筋症や内膜症性嚢胞は日常の診療においてしばしば遭遇する疾患であり,その多くは妊孕性温存を希望するため,根治手術(内性器全摘出術)の対象となるケースはきわめて稀である.すなわち多くの症例ではGn─RHアゴニストやダナゾールなどによる薬物療法や,手術する場合も嚢腫摘出術などの保存的手術療法が主体となっている.
しかし日常診療を行う場合には,そこに大きな落とし穴があることを頭の片隅に入れておくべきである.それが今回組まれたテーマであるが,その1つに腺筋症や内膜症から発生する癌がある.今回われわれは,骨盤内腫瘍を指摘されたが,術前診断に苦慮した子宮腺筋症由来と思われる子宮体癌の1例を子宮摘出により経験したので報告する.
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