ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Sexually Transmitted Diseases (STD)
Topics
ゴノザイムの臨床的検討
畠 亮
1
,
中村 宏
1
Makoto Hata
1
,
Hiroshi Nakamura
1
1防衛医科大学校泌尿器科教室
pp.653-656
発行日 1985年8月10日
Published Date 1985/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207229
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STDの1つである淋菌性尿道炎を臨床的に診断することは,さして難しくない。成書でも,臨床症状と,膿性分泌物または排尿初期尿の沈渣の塗沫標本で,多核白血球内にグラム陰性の典型的な双球菌を認めれば,淋疾の診断は可能であり,培養同定の必要はないと説いている1)。しかし,なかには非定型的症例もあって,培養同定の結果により,はじめて非淋菌性尿道炎との鑑別がつく場合もある。特に,来院時すでに抗生物質を服用している症例では,臨床症状が修飾され,培養でも証明されないことが多い。さらに淋菌の培養は,培養条件が厳しく,偽陰性も多いことから,より簡便で,確実な診断法の開発が望まれるわけである。
筆者らは,新しい淋菌検査法であるゴノザイム(Go—nozyme)を使用し,臨床的検討を加えて報告したが2),ここであらためて,ゴノザイム検査の測定方法と原理について詳述し,あわせて問題点を指摘したい。
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