原著
当院における前置胎盤の統計と管理
天本 安一
1
,
森川 喜充
1
,
井村 有希
1
,
神津 弘
1
,
正田 滋信
1
,
秋山 敞
1
,
近藤 俊夫
2
Yasuichi Amamoto
1
,
Toshio Kondo
1
1聖路加国際病院産科
2近藤医院
pp.123-127
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当院で1972年より11年間に取り扱った前置胎盤74例について臨床的観察を試みた。1)発生頻度は0.52%であった。2)初産婦33例,経産婦41例であり経産婦の方が多い傾向を示した。3)待期療法は33例(44.6%)に行ったが,これらの児の予後は前報告(1962年より8年間)と比べて改善されていた。4)早産率は33.8%であり,前報告の早産率と比べ約半分の頻度であった。5)分娩様式は経腟分娩5例,帝切69例で帝切率は93.2%であった。6)転帰は母体死亡0,児死亡率5.4%であり,前報告の児死亡率30%と比べ著減していた。7)臍帯の付着異常が8例(10.8%)に認められ,児の発育や,分娩時の児の仮死に影響を与えていることが推察された。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.