薬の臨床
妊娠中毒症および産褥高血圧に対する新血管拡張剤Prazosinの臨床効果
竹田 省
1
,
山本 悦太郎
1
,
中林 正雄
1
Satoru Takeda
1
1三楽病院産婦人科
pp.607-612
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207032
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妊娠中毒症は母児双方の予後を悪化させる重要な疾患であるが,中でも高血圧,蛋白尿の重症度と母児双方の予後が相関することはよく知られている1〜5)。このため妊娠中毒症を厳重に管現することは予後改善に重要である。
妊娠中毒症における高血圧の薬物療法には,古くからさまざまな薬剤が用いられているが,現在もなお一定の見解はない。近年,汎用されてきた薬剤に対する見直しがされ,特に降圧利尿剤はその作用機序により,循環血液量が減少し12,13),また血液粘度が上昇して妊娠中毒症の悪化や子宮胎盤血流量の低下14)をもたらす可能性が指摘されてきている15)。またrauwolfia剤は母児共に副作用13,16,17)が問題になっており使用されなくなる傾向にある。その他の降圧剤も一長一短があり,使用も試行錯誤で流動的である。
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