臨床医のプライマリ・ケア 産科診療における偶発合併症対策
妊娠継続の判断基準と継続後の具体的ケア—心疾患を合併しているとき
榊原 繁樹
1
,
宇津 正二
1
,
石田 崇彦
1
,
千葉 喜英
1
Shigeki Sakakibara
1
1国立循環器病センター周産期治療科
pp.669-675
発行日 1982年9月10日
Published Date 1982/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206680
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最近は,先天性心疾患の根治手術手技が飛躍的に向上し,これら根治手術後の女性が妊孕可能年齢に到達して来ており,また後天性弁膜疾患に対する治療も,弁切開,弁置換術等が充分に行なわれるようになり,心疾患を持った女性の妊娠に遭遇する機会が増大しつつある。
本来心疾患を持った女性は,妊娠する以前に,循環器専門内科,外科医による充分なる管理,screeningを受けた上で妊娠許可をされるべきであるが,時として,これらの心機能の評価を受けることなく,すでに妊娠している例が少なくない。従って心疾患患者が妊娠した場合,まず妊娠継続が可能か否かを判断することが最初のポイントとなる。
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