新しい視点をさぐる 診断のテクニック
胎盤機能異常
矢内原 巧
1
,
高山 照雄
1
,
松橋 一雄
1
,
小崎 俊男
1
,
中山 徹也
1
Takumi Yanaihara
1
1昭和大学医学部産科婦人科学教室
pp.640-645
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205886
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胎児は胎盤を介して母体に呼吸作用,物質代謝など生命維持や発育に必要なすべてを依存している。したがって胎盤機能はいわば胎児の生存と密接な関係をもち,その機能を知ることは産科臨床上きわめて大切なことである。
しかし胎盤機能は多岐にわたりその生理機能のすべてが明らかとされていない現在,「胎盤機能異常」または「胎盤機能不全」そのものの定義は明確ではなく臨床的には広く「胎児が発育障害をうけ,また生命の危険にさらされる状態をもたらす胎盤の器質的機能的異常」ということになる。近年の内分泌学,代謝学の進歩,MEの導入は胎盤のもつ生理機能やホルモン分泌動態の解明に新局面をもたらしつつありこれまで多くの胎盤機能検査法が試みられてきている (表1)。これらの検査法は主として,
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