症例
第1・第2鰓弓症候群の2例
木村 好秀
1,2
,
安部 正雄
1,3
Yoshihide Kimura
1,2
,
Masao Abe
1,3
1都立広尾病院,産婦人科
2現埼玉医科大学産婦人科
3現愛育病院産婦人科
pp.571-574
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206659
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
顔面の奇形には巨口症,唇裂,口蓋裂,耳介変形,副耳や瘻孔,両眼隔離症,Treacher Collins症候群,Pierre Robin症候群などさまざまなものがある。なかでも巨口症macrostomia,小(半)顎症micro (hemi) gnathia,耳介変形を主症状とする奇形の分類は,従来mandibulo facial dysostosis,transverse facial cleftなどさまざまな名称でよばれてきた。しかしこれらの奇形はいずれも胎生期に第1鰓弓ないし第2鰓弓の発育障害により生ずるものであり,近年Starkらはこれを第1・第2鰓弓症候群first and second branchial arch syndromeと名づけている。本名称はわれわれの領域ではいまだなじみの薄いものであるが,今回われわれはほぼ典型的な本症の2例を経験したので報告する。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.