臨床医のプライマリ・ケア カウンセリング
カウンセリングの実際—人生相談的ニュアンスの濃い相談が多い
斎藤 信彦
1
Nobuhiko Saito
1
1斎藤産婦人科医院
pp.472-473
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206634
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「カウンセリング」ということばを論じる場合も「プライマリ・ケア」のごとく,自分はこういう意味で使うという定義をはっきり決めてかからないと,あとで無用の混乱を起こすことになる。筆者は「カウンセリング」の範疇としては次のように考えている。患者が医師であるわれわれに,特にカウンセリングということばで対応を求めてきた場合,その患者はまず自分の話を十分に時間をかけてきいてもらい,しかる後,適切な助言をしてもらって,自分のかかえている悩みや問題の解決が得られることを期待している。この場合,投薬をうけたり,検査をうけるなどということは考えていない。つまり患者(これをクライエント,相談者という)は言語的コミュニケーションのみによって問題を解決してもらうことを望んでいる。ここではまず筆者が行なった数少ない相談事例のいくつかをあげて,考えてみることにしたい。
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