症例
正常分娩後の絨毛癌を超音波断層法にて早期診断し得た1例
中野 由美子
1
,
林 敬平
1,2
Yumiko Nakano
1
,
Takahira Hayashi
1,2
1順天堂大学医学部産婦人科学
2関東逓信病院産婦人科
pp.335-338
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206610
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絨毛癌の約50%は胞状奇胎を先行妊娠として発生するが,満期分娩後に発生する絨毛癌も15〜30%に認められる1)。
一方,満期分娩後の絨毛癌は,胞状奇胎や流産を先行妊娠とする場合に比べ予後が悪いといわれる。Millerら2)は,分娩後の絨毛癌は転移をきたしやすく,化学療法への反応性も悪いが,これは免疫機構の変化が関与しているためであると述べている。しかし,胞状奇胎を先行妊娠とする場合に比べ,診断が遅れることが予後を悪くする一因となっている可能性も否定していない。
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