症例
原発性血小板血症を合併した卵巣嚢腫の手術例
笹川 基
1
,
吉谷 徳夫
1
,
田中 邦男
1
,
紀川 純三
1
,
大沢 みつぎ
1
,
成田 喜代司
1
,
青木 智
1
,
大石 正晃
,
小林 裕
2
,
藤沢 弘芳
2
,
松岡 松三
3
Motoi Sasagawa
1
,
Masaaki Oishi
,
Hiroshi Kobayashi
2
,
Matsuzo Matsuoka
3
1聖隷浜松病院産婦人科
2聖隷浜松病院内科
3新潟大学医学部
pp.63-65
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206555
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原発性血小板血症は,原発性に持続的血小板増多をきたす疾患で,骨髄を構成する細胞要素のうち,顆粒球系細胞が腫瘍性増殖する慢性骨髄性白血病,赤血球系細胞が腫瘍性増殖する真性赤血球増多症,細網系,線維芽細胞系の細胞が腫瘍性増殖する骨髄線維症とともに骨髄増殖性症候群の一つとして考えられている。しかし,慢性骨髄性白血病などに比べると,本症はまれな疾患で,本邦では1939年赤崎らの報告1,2)以来100数例の報告をみるにすぎない。山本ら3)によると1979年1月までの90数例の報告の中で,Ozer4),永井ら5)による診断基準を満たすのはわずか32例にすぎないという。
このたびわれわれは原発性血小板血症を合併した卵巣嚢腫の症例を経験し,血小板輸血を行なうことにより少量出血で手術を無事終了したので若干の考察を加えて報告する。
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