症例
卵巣嚢腫を思わせた小腸原発の滑平筋肉腫の右卵巣転移の1例
村山 茂
1
Shigeru Murayama
1
1東京電力病院産婦人科
pp.609-614
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204855
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卵巣嚢腫の診断のもとに70歳婦人の約児頭大の腹部腫瘤を手術したところ,卵巣嚢腫の小腸内瘻を思わせる所見を呈していたが癒着がはなはだしいため,そのまま腹壁を閉じた。
術後イレウス症状を伴つたが非手術的処置により軽快退院した。以後経過順調であつたところ,約1年11ヵ月後に突発的にイレウス症状を呈し外科にて緊急手術を行なつた。汎発性化膿性腹膜炎を認めたが癒着が強いため,原因を明確にできないまま小腸内容が流出したためと考え,排膿術のみを行なつて腹壁を閉じた。その4日後に患者は死亡した。
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