症例
妊娠中に発症したMallory-Weiss症候群の1例
畠 清彦
1,2
,
伊藤 文雄
3
,
飯田 和質
3
,
津田 昇志
4
Kiyohiko Hatake
1,2
,
Fumio Ito
3
,
Shoji Tsuda
4
1福井県立病院内科
2現公立小浜病院内科
3福井県立病院産婦人科
4福井県立病院外科
pp.947-948
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206364
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妊娠中に内科的,外科的疾患が合併することはよく知られている。Mallory-Weiss症候群は,1929年Mallory and Weiss1)により,多くはアルコール常飲者において,悪心および激しい嘔吐を反復した後に突然大量の吐血をきたす疾患として報告された。アルコール常飲,膵炎,尿毒症,幽門狭窄症などに合併して起こる,下部食道から噴門直下にかけて長さ3〜20mm,幅2〜3mmの辺縁が軽度に肥厚した2〜4条の長軸方向の粘膜および粘膜下層の亀裂性潰瘍をいう。今回われわれは,Mallory—Weiss症候群が妊娠中期中毒症により発症したと考えられる1例を経験したので,その臨床経過の概要と若干の文献的考察を加えて報告する。
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