原著
奇胎後,正常および異常経過患者のホルモンなどの物質産生動態
蔵本 博行
1
,
森沢 孝行
1
,
巽 英樹
1
,
田口 明
2
Hiroyuki Kuramoto
1
,
Akira Taguchi
2
1北里大学医学部産婦人科
2社会保険相模野病院産婦人科
pp.787-792
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206332
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絨毛性疾患はその由来する胎盤に類似して,蛋白や性ステロイドの諸ホルモンならびに酵素など,諸物質を広く産生する一種のfunctioning diseaseであることが知られている。しかし,胞状奇胎後これら諸物質がいかなる変動を示すのか,換言すれば,これら諸物質の測定がどれほどの診断的意義を有するかについては,tumor specific index substanceとして確立されている絨毛性ゴナドトロピン(HCG)はともかく,いまだ不明といっても過言ではない。
そこで,われわれは胞状奇胎後follow-upした患者についてこれら諸物質を奇胎娩出直後からの経過につれて同時性多角的に測定し,結果的に奇胎後経過良好であった群(正常群)と異常な経過を呈し,続発変化した群(続発群)とが,ホルモンなど諸物質の産生・分泌動態から,識別ひいては早期に予知可能かどうか検討した。
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