トピックス
受精の時期と児の性差
広井 正彦
1
1山形大学医学部産科婦人科
pp.757
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206324
- 有料閲覧
- 文献概要
人の男女の性の決定に関し古くより興味がもたれていた。この性決定因子として月経周期における受精の時期が関与しているとの仮説が提唱されてきている。
この説は,Guerrero1)の自然性交でリズム法により避妊に失敗したデーターをもとにのべられ,Harlap2)はユダヤ人の婦人では月経終了後1週間以内は性交を慎しむとのデーターよりまとめている。これらの成績で両者とも妊孕性の高い時期の早期か後期での性交は男子,中期では女子が生まれると結論づけている。この論文に関しても多くの批判があり3,4),前者ではカソリック教徒がリズム法を用いて失敗した例をまとめているが,これは特殊な集団で必ずしも全ての者にあてはまらないとか,後者では月経周期における排卵日を単に月経周期マイナス14日と計算しており,妊娠した時期と排卵日との関係は必ずしも明らかではないことが指摘されている。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.