Modern Therapy 産科劇症の治療
子宮破裂
相馬 広明
1
,
寺田 国昭
1
,
柏木 博之
1
,
小川 俊彦
1
,
井坂 恵一
1
,
鈴木 康伸
1
Hiroaki Soma
1
1東京医科大学産婦人科学教室
pp.21-23
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206171
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Ⅰ.子宮破裂とは
子宮破裂のほとんどは分娩時に起こる。その症状は急性であり,出血やショックを起こし,母体は重篤となり,致命率が高い。そのため早期発見と積極的な処置が母体の救命につながる。また児の死亡率もはるかに高い。ただこの症状の開始や進行は,しばしば気がつかないで見のがされたり,その処置におわれているうちに,不可逆性のショックにおちいったりするから,注意しなければならない。
その原因としては,既往の帝王切開や,筋腫核出やその他子宮に加えた手術の瘢痕創の破裂,また分娩遷延,陣痛誘発などによる自然破裂,反復帝王切開,鉗子分娩,骨盤位分娩などの器械的侵襲による破裂などがあげられる。
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