今月の臨床 産科出血―診断・治療のポイント
子宮破裂
古谷 健一
1
,
松田 秀雄
1
,
笹 秀典
1
1防衛医科大学校産婦人科
pp.60-63
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101942
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はじめに
今日,産科医療のなかでは医事紛争の影響もあって,前置胎盤や癒着胎盤について関心が高まっているが,妊娠や分娩経過中に子宮筋層が断裂・破壊される「子宮破裂」は,それこそ母児の生命に直結する緊急事態として,産科医の正しい判断と速やかな対応が求められる最重要項目の1つと思われる.さらに子宮破裂は,前述した前置・癒着胎盤のように画像診断による癒着程度の判断や放射線医によるインターベンションなどの事前準備が整わない環境で緊急事態に対応しなければならず,産科医は真の臨床的実力が求められる状況に直面することが多い.
本稿では「子宮破裂」に関して,その分類とならんで,帝王切開既往後の経腟分娩(VBAC)や損傷された妊娠子宮の摘出法について概説する.
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