症例
胎児臀部奇形腫(Sacrococcygeal teratoma)とその胎盤
相馬 広明
1
,
斉藤 俊樹
1
,
菊池 献
1
,
新井 克己
1
,
高山 雅臣
1
,
吉田 啓治
1
,
寺田 国昭
1
Hiroaki Soma
1
1東京医科大学産婦人科
pp.303-307
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206030
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急性羊水過多症はしばしば胎児異常を合併することが多い。その中にあって極めてまれではあるが,胎児腎部奇形腫,正しくいえば胎児尾仙骨部奇形腫(Sacrococ—cygeal teratoma)合併例がある。その腫瘍の大きさには種々あるが,通常子宮内で屈位にある胎児にとって腫瘤は後進部に位するので産科的障害は比較的少なく,生後の摘出術に興味が向けられている。
私どもの2例は,いずれも急性羊水過多を合併し,妊娠29週と33週で死産した。さらにこのような腎部奇形腫を伴った場合の胎盤についての記載はほとんどないといってよいが,その胎盤についても組織学的,電顕的に観察し,特徴的な所見を得たので報告する。
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