実地臨床手技のエッセンス 症状よりみた検査法の選択
下腹部痛
下腹部痛への提言—婦人科より
西村 敏雄
1
,
森 崇英
1
Toshio Nishimura
1
,
Takahide Mori
1
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
pp.927-928
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206147
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痛みを客観的に分析する努力を
下腹痛は,婦人科領域の急性腹症の主症状として重要である。本来痛みは,個体に加わった非生理的刺激を,個体がいち早く認知するための防衛機構の現われで,多少とも苦痛を伴う。この苦痛が患者自身にはもちろん診察者にも重大な警告を発しているのであるから,これを客観的に分析する努力を直ちに開始しなければならない。いうまでもなく,痛みに見合った他覚所見の発見と,必要な検査の選択である。
下腹痛の症候診断には,問診が基本となるが i)痛みの性状と経過 ii)無月経,性器出血,腹膜刺激症状,発熱な どの随伴症状の有無 iii)妊娠,月経,排尿,排便との関係を知ることがとくに大切である。
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