原著
月経前乳房緊満と乳汁分泌量との相関について
湊 敬一
1
,
高橋 克幸
1
,
康 春華
1
,
和田 裕一
1
,
古橋 信之
1
,
鈴木 雅洲
1
Keiichi Minato
1
1東北大学医学部産科婦人科学教室
pp.773-777
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205912
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現在,母乳による哺育の重要性が再認識され,社会的な問題として母乳化運動が推進されている。母乳が新生児,乳児にとって最も理想的で自然な栄養物であることは論ずるまでもないが,すべての褥婦が母乳を分泌するとは限らず,母乳分泌の悪い褥婦,ほとんど分泌しない褥婦のいることは,すでに幾多の報告が証明している1〜4)。
乳汁分泌の良否をあらかじめ予測することが可能であれば,乳汁分泌不良予測例に対して,母乳の分泌を良くするよう積極的に指導することもできる。しかしながら,乳汁分泌良否の予測はかなり困難である。これは,女性の乳腺の発育,発達の状態に個人差があり,また,妊娠,産褥期におけるProgesterone,Estrogen,HPL,Prolactinなどの分泌能も人により異なり,さらに,生活環境の相違による影響や乳汁分泌に関与する精神,心理面の因子など,乳汁分泌の問題はさまざまの因子が複雑に関係しているためである。
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