研究へのいざない・11
卵管分泌液
鈴木 秋悦
1
Shuetu Suzuki
1
1慶応義塾大学医学部産科婦人科学教室
pp.429-435
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205848
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生殖生理のうえで,卵管がいかに重要な役割りを果たしているかということは,臨床的な数多くの裏付けからも周知のことであるが,その病態の解明に必要な機能的な面の研究は非常におくれているのが現状である。
この領域の最近の業績といえば,走査型電子顕微鏡を応用した,卵管上皮の表面構造の微細形態観察,あるいは,卵管運動と受精卵の移動との関連性についての一連の報告が,目新しいものとしてあげられるにすぎなく,受精環境または受精卵の分割分化におよぼす卵管環境としての生化学的な研究アプローチは皆無に等しい。
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