臨床メモ
下垂体後葉のプロラクチン分泌調節作用
佐藤 直樹
1
1峯クリニック
pp.467
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206632
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プロラクチン(PRL)は,催乳ホルモンとしてよく知られているが,最近では催乳作用のみならず,電解質代謝調節作用など,多種多様な生物学的作用が報告されている。
最近,臨床的に注目されているのは高PRL血症で,無排卵や無月経となり,同時に乳汁漏出を伴う症状を呈するChiari-Frommel症候群,Argonz-del-Castillo症候群などである。さらに下垂体腫瘍などの下垂体疾患に基づくものなどがある。PRLは下垂体前葉細胞から分泌されるペプチドホルモンで,その分泌調節は視床下部から分泌される脳内アミン,中でもDopamineの分泌抑制作用(PIF)の働きでされていると考えられる。しかし,PRL分泌はこのような視床下部性Dopamineにより調節されている一方,下垂体後葉もPRL分泌に関与していることが,Petersらによって報告されている。
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