症例
慢性骨髄性白血病妊娠分娩の1例
竹森 和正
1
,
姫野 憲雄
1
,
村田 匡好
1
,
麻生 武志
1
,
西村 敏雄
1
,
山岸 司久
2
,
内田 三千彦
2
,
田嶌 政朗
2
,
堂前 尚親
2
,
中村 徹
2
Kazumasa Takemori
1
,
Norihisa Yamagishi
2
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
2京都大学医学部内科学教室第一講座
pp.365-371
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205606
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年白血病の発生は増加の傾向にあるといわれている1,2)。しかし白血病と妊娠の合併は比較的まれであり,白血病の治療法が進歩し,寛解状態をもたらす例も多くなったにもかかわらず,妊娠合併例の治療には現在なお多くの問題があり,妊娠の継続の可否についても賛否両論がある。
われわれは妊娠28週に慢性骨髄性白血病を合併した初妊婦に対し,分娩前は連続血液分離装置(CELLTRI—FUGE:AMINCO社製U.S.A.)にて白血球分画の除去(leukapheresis)を行ない,いったん寛解をみたが,再び増悪して妊娠38週に胎内死亡をきたし,死産後に化学療法剤を投与するも1ヵ月後に急性転化により死亡した1例を経験したので,その臨床経過,病態,および治療法について報告する。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.