今月の主題 新しい不整脈診療
新しい用語の解説と臨床例
late potential—high riskの証明?
加藤 貴雄
1
,
金 応文
1
1日本医科大学・第1内科
pp.18-20
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222263
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コンピュータを用いて数百心拍の心電図波形を加算処理することにより,通常の12誘導心電図では確認し得ない微小な電位を記録しようという試みがなされ,その臨床的意義の検討が行われている.とくにかかる方法によってQRS終末部に記録される心室遅延電位(late potential;LP)は観血的心臓カテーテル法で記録されるdelayed activityとほぼ同一のものであることが確認され,この微小な電位と心室頻拍や心室細動など致死性の重症心室性不整脈発生との関連性が注目されている.従来このような重症不整脈の臨床評価には,ホルター心電図や運動負荷心電図および心臓カテーテル法による心臓電気生理学的検査などが行われてきた.
加算平均心電図法(signal-averaged electrocardiogram;SAE)によるLPの評価は,従来の方法に比べ記録時間が短くその場で評価ができ,かつ患者に対する負担,侵襲がまったくないという利点があり,非観血的で安全にくり返し検査ができることから,幅広い臨床応用が期待される.以下,本稿ではSAEの記録法ならびにそれにより認められるLPの臨床的意義について述べる.
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