疾患の病態と治療 先天性胎児・新生児異常
未熟児の発生因子と対策
安達 寿夫
1
,
奥田 宜弘
1
Toshio Adachi
1
,
Yoshihiro Okuda
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.817-820
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205491
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いわゆる先天性心身障害児の原因のなかで,胎芽期以前にその病因のあるものは,明らかな遺伝性疾患を除いて,その発生因子や予防対策がほとんど不明のままである。それに対して胎児期から周生期にかけての病因はその大半が解明され,その成果が,年々妊産婦管理や周産(生)期管理に応用され,着実にその実をあげてきている。
とくにわが国の周産(生)期管理が著しく向上したことは,表1の1960年から1970年にかけてのperinatal death rateの各国の変動を比較すると明らかで,1960年には,いわゆる先進国のなかではイタリーとならんでもっとも周生期死亡率が高い国であったのが,1970年までの10年間にアメリカ,フランスなどを追い越して,カナダ,スイスなどと並んで世界の最低死亡率国となった。
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