疾患の病態と治療 先天性胎児・新生児異常
先天異常症候論
木田 盈四郎
1
Mitsushiro Kida
1
1帝京大医学部小児科学
pp.809-813
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205489
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成書によれば,「症候symptomとは疾患の存在を指示する現象である」と述べられている。その中で,他覚的症状は徴候signとして特に区別していることが多い。
生まれつきの疾患の中には,本人に障害として意識されぬものや,日常生活にさして障害にならぬものがある。将来悪化が見込まれるために,治療の対象と考えられる場合などには疾患として取り扱われる。生まれた時すでにみられる現象を先天性congenitalといい,正常域から外れているものを異常anomalyという。その定義のなかには,生命に不利である(障害)の意味は入っていないが,一般に,正常範囲から著しく外れているものの中に生命に不利のものが多いので,実際は同じ意味として使われる。先天異常のなかで特に代謝障害のあるものを先天代謝異常,形態的変化のあるものを先天奇形と呼んでいる。
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