新しい視点をさぐる 新生児異常の診断技術
診断のすすめ方(小児科医の立場から)—形態異常と機能異常
木田 盈四郎
1
Mitsushiro Kida
1
1帝京大学医学部小児科学教室
pp.719-724
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205901
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新生児の異常をみつけ,その診断をすることは,従来,系統的に整理され体系づけられていたとはいい難い。その理由として,先天異常は,新生児期にはまだ明らかでないものが多いこと,また,この時期に発見しても,その対応策が必ずしもみつからぬことなどがあげられる。ところが,最近,新生児異常の診断技術が進み,早期対策が迫られる疾患の鑑別や,また先天異常の疫学的調査の部分として新生児期の発生頻度を知るなど,この方面に関心が持たれるようになった。
ここでは,新生児の先天奇形診断のすすめ方について,主として臨床家の立場からその技術的側面を整理してみたい。診断の目的は,その病因を明らかにすることであるが,先天異常の多くは,病因と必ずしも関連づけられていない。しかし,逆に診断ができれば,原因との関連づけの研究も進むわけで,手始めとして,分類を目的とする疾患の整理に重点をおいた。
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