薬の臨床
Ovulen−50の月経異常に対する臨床応用
布川 修
1
,
小川 弘良
1
,
王 正貫
1
,
佐藤 芳昭
1
,
竹内 正七
1
Osamu Nunokawa
1
1新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.505-512
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205438
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経口投与の可能な合成Gestagenの開発は目ざましく,女性の生殖生理学の進歩と相まつて広く産婦人科領域で臨床応用されてきている。
しかし,女性の生殖生理は男性と比較するとかなり複雑であり,排卵現象を主体とした周期性を示していることは周知の事実であるが,近年の蛋白化学の進歩は血中の微量なホルモン動態を知ることを可能にしたばかりでなく,新たに排卵の調節機構の未解の分野を提起する結果となり,あたかも解決されたと錯覚されている間脳,下垂体,卵巣系の調節機構の大きさに困惑しているといつて過言ではない。一方,性周期に伴ういろいろの障害の大部分が,排卵が正順でないために起きるという事実もまぎれのないことである。今回著者らは合成gestagenの19—norsteroidの一種であるethynodiol diacetate 1.0mgとEthingl estradiol 0.05mgの合剤であるOvulen−50を用いて,いろいろの性周期に伴う異常について,内分泌学的な検討を行ないながら治療効果を検討し,性ステロイドホルモンの治療のあり方を考察したのでここに報告する。
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