薬の臨床
機能性月経困難症に対するethynodiol diacetate,ethinyl estradiol (Ovulen−50)の臨床効果
布川 修
1
,
小川 弘良
1
,
王 正貫
1
,
佐藤 芳昭
1
,
竹内 正七
1
Osamu Nunokawa
1
1新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.833-838
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205494
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Steroid化学の進歩は,ここ20〜30年間に著しいものがあり,新しい合成gestagenの開発はその構造上の特徴から,理論的には非常に数多く存在することがわかり,今後とも種々のgestagenが臨床面で登場してくるものと考えられる。ここ数年来,著者らは従来のgest—agenにくらべて特異な生理作用をしめす19—norsteroidの一種であるethynodiol diacetateについて基礎的,臨床的に検討を行なって,このethynodiol diacetateはprogesterone作用のほかにestrogenic作用をしめし,ある条件下ではprogesteroneやestrogenと拮抗するような作用をしめし,子宮内膜に対しても複雑に作用し,このものだけで避妊効果のあることを明らかにしてきた。
すでに,この合成gestagenが臨床的にethinyl est—radiolと合剤でcombination pillとして応用されているばかりでなく,gestagenのみのcontinuous pill (mini—pill)として排卵を抑制しないでしかも避妊効果のあることがわかり,より合理的なpillとして臨床的に応用されつつある。
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