疾患の病態と治療 病態管理の進歩
分娩時出血の管理
真木 正博
1
Masahiro Maki
1
1秋田大学医学部産科婦人科学教室
pp.329-334
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205601
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妊産婦の管理の向上とともに,妊産婦死亡が逐次減少しつつあることはたいへん喜ばしいことである。厚生省統計1)によると,昭和49年の妊産婦死亡は昭和30年に比べて約4分の1,昭和40年に比べて約2分の1に減少している。しかし,実数でみると,昭和49年には日本全国で700名もの妊産婦死亡があり,妊産婦死亡率(出生100,000対)にして34で,イタリーを除いた欧米諸国より,まだかなり高い率である。その死因の主なものは妊娠中毒症と産科出血とである。
本稿では産科出血のうちでも,とくに重要な分娩時出血の管理について述べることにする。
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