臨床メモ
妊娠初期婦人の航空機旅行について
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.215
発行日 1974年3月10日
Published Date 1974/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205014
- 有料閲覧
- 文献概要
妊娠末期婦人の航空機による旅行についてはその安全性に関して良く質問を受けるところであり,その関心は専ら陣痛が誘発されることへの危険性にあるようである。しかし,最近のように航空機による旅行が一般化すると妊娠初期についても無関心でいられないのではないかと思われる。そこでCameron (AerospaceMed. 44, 552, 1973)の「スチュワーデスは妊娠初期に乗務を続けて良いか?」と題する論文の内容を紹介しておく。
ここで航空機というのは当然のことながら普通のジェット旅客機を意味するが,まず騒音と振動は問題ないと考えられる。急速な上昇または下降飛行の影響は過激な運動と比べれば大したことはない。湿度は概して乾燥気味に保たれているので脱水に注意する。しかし利尿剤が投与されていてもそれを控えるほどではない。食事はガスの発生し難いものが良いが,腸管内のガスが胎芽にとくに悪影響をおよぼすとは思えない。乗客の場合は下肢へのうつ血を防ぐため1時間毎に歩き廻るのが良い。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.