Japanese
English
Bedside Teaching
在宅酸素療法(HOT)患者の航空機旅行
Air Travel for Patients on Home Oxygen Therapy
福薗 謙一
1
,
酒井 志野
1
,
岸田 遼生
1
Kenichi Fukuzono
1
,
Shino Sakai
1
,
Ryosei Kishida
1
1帝人株式会社在宅医療学術推進部
1Scientific & Marketing Promotion Department Home Health Care Division, Teijin Limited
pp.267-271
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901863
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はじめに——HOT患者の旅行
HOT患者数は,1985年3月の健康保険適用以来年々増加し,全国で約7万人(推定)が住み慣れた自宅で医師の処方に基づいた在宅酸素療法を行っている.
Quality of life(QOL)の向上がいわれ,外出や旅行を楽しもうというHOT患者が次第に増加してきている.旅行は患者さんにとってしばしば最高の楽しみであり,また療養上のはげみになることはよく知られている.酸素供給会社の全国ネットワークを利用した旅行先への酸素濃縮器設置体制,携帯用酸素ボンベの軽量化,呼吸同調装置の使用などソフト・ハードともに旅行支援の環境はますます進歩してきている.
HOT患者の利用する交通手段も多岐にわたっている.旅行時の主たる交通手段は手軽な自家用車の割合が高いが,その他,電車・航空機の利用もみられる1).航空機を利用するケースは増えてきており,全日本空輸㈱の調べでは,1997年に同社国内線を利用したHOT患者は平均1.3人/日にのぼった.それに伴い日本の航空会社各社の受入れ体制も整備されてきている.しかし,航空機利用にあたっては,機内圧力の問題など他の交題機関と異なる特殊事情があり,安全な旅行のためには,十分な事前準備が必要である.
そこで,本稿では,患者さんの安全な航空機旅行のために必要な考慮事項をまとめ報告する.
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