Japanese
English
特集 miRNA研究の最近の進歩
ヒトのRISC形成過程
RISC assembly in humans
依田 真由子
1
,
泊 幸秀
1
Mayuko Yoda
1
,
Yukihide Tomari
1
1東京大学 分子細胞生物学研究所RNA機能研究分野
pp.297-301
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101000
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近年,様々な生物種を対象にした生体分子情報の網羅的解析,いわゆるオミックス解析が急速に進展している。ヒトゲノムの解読結果では,タンパク質をコードする領域はゲノム全体のわずか2%程度であり,遺伝子数は予想されていたよりもはるかに少なく,線虫やショウジョウバエとほとんど変わりがなかった1)。さらに,トランスクリプトーム解析の結果では,ゲノムの大部分の領域が転写されており,転写産物のほとんどがタンパク質をコードしないnon-coding RNA(ncRNA)であることが明らかとなった2)。ncRNAの種類は生物の複雑性に比例して増加する傾向がある3)。また,最近の研究によりncRNAは様々な方法で遺伝子発現の制御を行っていることも明らかになってきており,ncRNAが高次生命現象に深く関与している可能性が指摘されている。
Copyright © 2010, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.