薬の臨床
月経困難症の指数採点法による評価の試みとそれによるSC−11800の効果判定について
楠田 雅彦
1
Kusuda Masahiko
1
1九州大学医学部産婦人科学教室
pp.797-809
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203938
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まえがき
月経に際して何らかの不快症状を訴える婦人は多く,その頻度は年令や職業によつても異なるが,本邦婦人では59〜97%に認められると言われる14)。月経時には,骨盤内臓器は充血し自律神経系もlabileで,内分泌的にも変動の激しい時期であるので,多少の不快感を伴なうことは生理的現象と解されている。これら月経随伴症状は月経前期に発来するいわゆる月経前緊張症と,月経時に発現する月経困難症とに区別されている。これらは多くの共通症状を有するが,その症状はかなり異なり発生要因や治療の面からも別個のものとして取扱われるべきであるので,今回は月経困難症のみを対象とした。
本症には多種の症状が含まれるが,患者にとつて最も苦痛となるものは疼痛である。したがつて,これを月経痛症とし,他の症状を月経不快症として区別するむきもあるが,通常は両者を含めて月経困難症と呼んでいる。
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