臨床メモ
てんかん婦人の奇形児出生率
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.1069
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204973
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最近てんかん婦人の奇形児出生が注目されだした。これは取りもなおさずてんかん婦人が常用する抗痙攣剤による先天異常発生が疑われるからに他ならない。事実これまでの報告を見ると,South (Lancet 2,1154, 1972)によれば抗痙攣剤服用婦人から生れた計677例の児から34例(5.0%)の奇形児が発生し,とくに兎唇と口蓋裂の頻度が1.9%と高い結果が得られている。
この種の報告では最新のLowe(Lancet 1, 9, 1973)の報告では以下のようである。英国ウェールズのカーディフ市で1965年から71年までの7年間に生れた児は31,877例あり,そのうちてんかんの既往のある婦人から245例の児が出生した。245例中妊娠4ヵ月まで抗痙攣剤を服用し続けていたものは134例,薬剤の投与を受けなかつたもの111例である。
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