特集 症状からつかむ私の治療指針
産科
胎児の発育不良
藤原 幸郎
1
,
小坂 順治
1
,
石川 邦夫
1
,
宮崎 好一
1
1東京医大産婦人科
pp.951-955
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204937
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I.Lower birth weight,原因と概念
従来出生体重が2,500g以下のものを全て一率に"未熟児"と呼び,体重のみによつてこれを全て未熟であるかのごとく考える傾向にあつた。その後これらは単に低出生体重児と呼ばれるべきであり,未熟という言葉の定義についてはさらに慎重に考慮されるべきである。同じ低体重児であつても在胎日数が異ることにより臨床的意義が異り,胎内で発育が抑制された児は新生児期に周産期死亡率が高いこと,また低血糖を生じやすく,そのため後遺症として脳性小児麻痺にかかることがあり,また発育盛んな胎児期の栄養障害は脳障害を残す可能性があることが指摘されてきているからである。そのようなことから単に生下時体重のみではなく在胎週数を考慮してSFD (Small for dates infant),AFD (Appropriate fordates infant) LFD (Large for dates infant)の3つのグループに分類して児の予後を追及してゆこうとする傾向にある。
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