特集 産婦人科プリンシプル
婦人科編
卵巣腫瘍の発生のメカニズム
岡田 弘二
1
,
小畑 義
1
Hiroji Okada
1
,
Tadashi Obata
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.833-837
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204890
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卵巣ほど1つの臓器から多くの特殊な腫瘍を発生するものは他には認めない。ここに卵巣腫瘍の発生のメカニズムを知る興味の根底があるが,これを知るには卵巣そのものの発生学をまず充分知る必要があることはいうまでもない。
現在の腫瘍学では腫瘍発生母地を知ることは発生学的にかなり明確にされてきてはいるが,個々の詳細な発生メカニズムには不明の点が多い。なかでも卵巣腫瘍のそれはかなり複雑であり,人によりそれぞれ異なつた見方が試みられている2〜12)。そこでここでは卵巣腫瘍,特に良性群1)〜4)の卵巣腫瘍を卵巣の胎生学的発生過程をながめながら,そこから発生する腫瘍発生母地を考察することにする。
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