年間テーマ--診断から治療へ 発育の異常
胎児発育とその異常
鳥越 正
1
Tadashi Torigoe
1
1山口大学医学部産科婦人科学教室
pp.183-188
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205146
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胎児は母体の子宮内にあり,羊水に包まれて生存,発育を続ける個体である。しかも,胎生初期には全面的に母体に依存して発育するが,次第に,依存しながらも自律性の胎児能力が展開されてくるようになる。
胎児と母体との接点は胎盤であり,胎児と胎盤とは胎生期を通じて共軛関係を保ちつつ一体となり,母体に対して一つの系,単位としてはたらいている。近年になつてこれが胎児胎盤系fetoplacental unitと表現され,細部の代謝機序まで解明が進められ,今後一層明らかになることが期待される。
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