解説講座
コンピュータによる医学データの処理
開原 成允
1
,
久保 武士
2
,
川村 昇
3
Shigekoto Kaihara
1
,
Takeshi Kubo
2
,
Noboru Kawamura
3
1東京大学病院電算機企画室
2東京大学病院産婦人科
3東京都老人総合研究所
pp.233-237
発行日 1973年3月10日
Published Date 1973/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204794
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コンピュータに関する解説には2通りある。第1はコンピュータそのものを解説することで,例えば,コンピュータはどのような構造になつているか,演算装置,入出力装置,記憶装置などとは何か,といつた解説である。第2はコンピュータをどのような場合に利用すればよいかという,利用者の立場からの解説である。例えば,臨床統計を行ないたい時にどのようにコンピュータを使えばよいか,といつた解説である。
この2つは全く別の知識であつて,通常,われわれ医師が必要とするのは第2の領域に属する知識である。しかし,コンピュータを使うにはコンピュータの構造や2進法の演算などをまず理解しなければならないと思つている人が意外に多い。このことがコンピュータに対する疎外感を生んでいるとしたら,第1の領域の知識は,むしろ有害とさえいえる。当然のことながら,コンピュータを専門にする場合でない限り,第1の領域の知識は必ずしも必要でない。これは,心電計を用いるのに心電計の構造や回路などを知る必要がないのと同じである。
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