特集 産婦人科の治療その限界と展望
日常臨床上よくぶつかる頑症疾患の治療の限界
婦人科
絨毛上皮腫
相馬 広明
1
,
豊田 泰
1
,
清川 尚
1
,
近田 利啓
1
,
新井 克己
1
,
所 和夫
1
Hiroaki Soma
1
1東京医科大学産婦人科
pp.1103-1107
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204730
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絨腫に対する化学療法の有効性が次第に認められてきている今日でも,なお依然として治癒し得ない絨腫転移例が出現している。その症例数は数年来減少してきているようになつたとはいえ,そのような頑症例はたとえ化学療法を強力的に施行しHCG値は低下しても転移巣はなお残存し,再発を起こしさらに増悪するのであつて全くその治療処置に窮し,しみじみと無力を感ずることがある。しかしすべての悪性腫瘍に共通していえることは,早期発見,早期治療が治癒への根底をなしているが,絨腫でも同様のことがいえると思う。
まずこのような頑症絨腫例について検討しそれによつての治療限界を提示したいと思う。
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